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Go! Go! Let’s Go!

4月20日。14時55分。55!ゴー!ゴー!と福助らしく出発しました。

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持ってるヤツっているんだよねー。福助はいつでもそうだった。

東日本大震災の時だって、普段、絶対にお留守番している金曜日、14時46分なんて時間に、おっとさんもおっかさんもお家にいた。九州のワンコたち、そしてみなさんがんばれ!

(※放射線治療をする前のキレイなお顔の写真も載せておこう。別にずっとかわいいままだったけれど)
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4月20日、水曜日、14時55分。もちろん家族全員集合だ!福助ファミリーだからね。

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今年に入ってブログをサボってた。忙しいのもあったけれど、書けばかなりの闘病記。書けなかった。いろんな厳しい病気を克服してきた福助だけど、今度の消化器型リンパ腫は手強い。
昨年末、なんとか小康状態を保っていたのが一線を超えた。

(※ホント、戦う男の渋い顔になった。今年の福おみくじで、福助が引いたのは、勇気のしるし「毘沙門天」なんだ)
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でも、不死身の男!なんとか戦ってきた。消化器型だから、本来、お腹の中の話だったりするけど、首に鶏の卵くらいの腫瘍ができてしまったり、他にも見たりさわったりできるものがいっぱい。

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なのに、抗がん剤で奇跡みたいに小さくなったり……、やっぱり反応悪かったり、一喜一憂する日が続く。

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抗がん剤治療をしても消化器型リンパ腫は反応が悪く、1、2か月で亡くなってしまうワンコもいる中、福助は7か月がんばって、3月31日に9歳のお誕生日も迎えられた。

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なんだか、どんどん長生きしちゃうなぁ……、なんて思ってたんですけどね。

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4月17日、日曜日。前日あたりから具合が悪い感じはあった。ご飯も食べないし、1時間おきに体温を測ると39度を超え、どんどん上がってる。こりゃ病院だ。福助はスゴイ雨男。この日も嵐の中、おっかさんにタクシーを捕まえてもらい、お昼過ぎに病院へ。点滴でなにかお薬入れられないかなぁ? なんて思いながら、後をおっかさんと先生に託してボクは仕事に。

(※朝、アイスは食べてくれた)
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が、仕事中におっかさんから、かなり胸に水が溜まってるってメールが。後半「今は酸素室にいて、仁王立ちしています」って書いてあったから、なんとなく元気だって思ってた。ボクが返信したのは「胸水かぁ。がんばれふくちゃん」
写真も添付されていたのに、あまり気にならなかった。お薬の写真? くらいの感じ。これだから仕事モードの時は困る。福助から抜かれた胸水。現実感がなさすぎたのかも。


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夕方4時半くらいだったかな、事態が急変(ホントはもっと前からヤバかったけど)。
おっかさんから電話。「先生がパパも呼んだ方がいいって言ってるから、すぐ来た方がいいから……」
おっかさんは、仕事を投げ出してこいとか絶対に言わない。だからこれは最大級のSOS。打ち合わせ中だったけど「ごめんなさい。どうしても時間がなくなった、ごめんなさい」と中座しタクシーで動物病院へ。
行き先を告げると、運転手さんがボクの思ったのと別方向に向かおうとする。「そっちじゃなくて反対へ」
ドキドキしていた。混乱していた。運転手さんは最近できた近道に向かおうとしてくれていた。確かにそちらの方が早い。もしかしたら5分くらい変わるかも……。このミスで間に合わなかったらどうしよう……。

ジリジリしながら動物病院へ駆け込んだ。と、福助がシッポを振りながら酸素室から顔を出した。『……なんか元気だけど……』  でも、周りの感じは「あぁ、パパ間に合ってよかった〜」って雰囲気。福助、頭を下げてシッポふりふりで擦り寄ってくる。いつもの歓迎ポーズ。

でも、状況は最悪。DIC発症。播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん)。アメリカでは頭文字から [Death is Coming.] なんて言われてたらしい。手の施しようがなかった。そして、手当てを福助も拒否していた。

ボクが電話で呼ばれる前、おっかさんは「苦しませないで」とお願いし、先生も少しでも安らかにと、治療でも延命でもなく、ただ有効な成分だけを点滴しようとした。ところがその瞬間、福助は失神し気を失ったらしい。舌は白くなり、三途の川に足を踏み入れた。鼻腔内腫瘍の手術での大出血以来だ。

もうだめだとおっかさんが呼ばれたところ、福助の舌がみるみる赤くなって元気を取り戻したらしい。そしてボクが到着し、さらに元気になった。だから周りの感じは「パパ間に合ってよかった〜」なのに、ボクだけ『なんか元気なんだけど』という感じ。福助はもう点滴なんかしたくなかったんだ。ごめんよ。

でも、先生は遠慮してボクにはハッキリ言わないので、なんだかボクだけが一縷の望みを持っていた。先週くらいまでの状態には戻せるのでは? なんて甘い考えを。

福助は弱々しいところをボクに見せなかった。調子が悪いとおっかさんの女人部屋で寝ていた。だから、おっかさんは抗がん剤が効かなくなってきてるなぁ〜、今夜は息が荒くって苦しそうだなぁ〜、とかまざまざと感じてた。

だから、おっかさんは福助はもう死んじゃうんだってわかってて、お家に連れて帰りたいという。先生はお家で少しでも楽に過ごせるようにと、酸素室のレンタルを提案してくれた。この辺りの話をいろいろしていてボクにも先がないことがわかった。ボクはそのまま横浜までぶっ飛んで行き酸素室をレンタルして病院へ。そして、福助とおっかさんを連れてお家へ。


ここからは記憶が曖昧だ。ほとんど寝てないし。ただ、福助はお家に帰れてよかったと思う。酸素室には入りたがらなかったけど。

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なので口元に酸素直噴。ボクとおっかさんがずっとなでなでしてるから、多分ウザかったと思う。ベタベタされるの嫌いなくせに擦り寄ってくる、ネコちゃんみたいなツンデレくんだったから。

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そして日々衰えた。そりゃ、そうだよね。血液がどんどん溶けて壊れていってるんだから。18日、月曜日。カートで大好きな公園まで連れて行くと、よろよろしながら歩いて、自力でオシッコ。ウンチもちょっと出せた。ご飯はアイスをちょっとくらいは食べられたのかなぁ……

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(※夕方、少しだけ自分でお部屋を歩いた。歩けたのはこれが最後に)
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19日、火曜日。もう自力では立てない。タオルで支えて立たせると、ちょっとだけオシッコが出せた。ポカリスエットを結構飲んでくれて、ホッとしたり……、朝はね。
夜はオシッコもできない。なんとか絞り出そうとしたけれどやり方もわからない。23時すぎだけど動物病院に電話して、当直の先生にやり方を聞いた。それでも出せなかったけれど。ご飯はもうほとんど食べない……

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(※やっぱりお外が好きだったね)
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そして20日、水曜日。ボクはこの間、仕事はパソコンで遠隔操作。おっかさんはOLさんだから、やらなくちゃならないことだけやりに毎日出勤してた。
毎朝、家族みんなでお散歩に行って、おっかさんは出勤。そもそも、もうお外に出さなくていいんじゃないかとも思ったのだけれど、出してあげると酸素もないのにお家にいるより息が軽やか。だから、ずっと朝晩お散歩はつづけた。

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20日はとても良い天気だった。前日夜、オシッコができていなかったからか、公園に着いたらカートの中にオシッコしてる。なんだか草の上に寝かせてあげたくなった。

気持ち良さそうにしてたけど、突然吐いた。茶色い水分をそこそこの量。
今となっては先生にも確認していないけれど、多分、血を吐いたんだと思う。白血球はもう無い。赤血球も溶けて壊れてもう赤くなくなった茶色い血。でもその時は、これで気分が良くなるんじゃないかと思った。
カートに戻すと、プ〜って臭いオナラをして、思わずおっかさんと笑った。
で、お家に戻ると、さらにカートの中にウンチをしていた。

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お尻をキレイにしてあげてベッドに横たえると、とても気持ち良さそうに寝始めた。おっかさんは安心してお仕事に。
でも、13時過ぎ、ちょっと呼吸が気になりだした。動画をおっかさんに送る。でも、本当に大丈夫だと思ってた。念のため程度で、おっかさんに動画を見てもらって、帰ってくるか判断してもらおうと思った。

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おっかさんは動画は見ずに帰ってきたらしい。大丈夫だとは思ったのだけれど、気になって午後の仕事が手につかない感じもあって帰ってきたって。買い物したりしていたから、ホントにのんびりした感じだった。でも、いろいろわかっちゃったりするタイプでもあるから、虫の知らせは感じ取っていたのだろう。

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14時前には福助ファミリーみんな揃った。
福助はそんなに苦しそうでもなかった。ペロチュ〜の挨拶もしてくれたし。でも少し経ってよく見ると、眼振が始まってる。あれ? やばいかも……、今際の際の兆候ってどんな? 福助をなでなでしながらiPadで調べたり。すると、ウンチやオシッコ出しちゃうって書いてある。すでに朝、そんな感じだったよ!



そして…………



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福助がウンチをした。プ〜って音、ボクは気づかずおっかさんに言われて、お尻をキレイにしてあげようとした。と、今度は吐いた。朝、吐いた時とは違う。苦しそうだ。もう行くんだね。いいよ、十分がんばってくれたよ、お願いだから苦しまないで。
ボクが福助を抱きしめた。おっかさんとふたりで『ありがとう福ちゃん、ありがとう』って叫んでた。一瞬だった。恥ずかしながら男泣きした。
こんな時、おっかさんは急にしっかりしたりする。時間、時間、って泣きながら福助が旅立った時間を確認してる。
14時55分。行くよ!ゴー!ゴー!だった。さすが福助だ。


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動物病院に電話して、カートで連れて行った。天気が良かったから、気持ちの良いお散歩みたいに。
福助は痩せてしまったけれど、とてもキレイなまま。忙しい中スタッフのみなさんが集まってくれた。病院でも人気者だったからね。なにしろ、カルテの厚さが5センチあるんだから。みんなで笑顔で写真を撮った。
福助がこの世にいたのは9年と20日。

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そして夜、おっかさんの霊媒体質が出た。福助の手を握っていたらいろんなことが見えちゃったって。たくさんの人の顔が見えちゃって眠れなかったって。
なんで福助はこんなに病気になるんだろう? って疑問が解けた。みんなに幸せを与えるから、その人たちの不幸を背負わなきゃならない。福助が負のものを背負わなければならないのは宿命だからしょうがなかったんだ。

朝、再び手を握ると、もう光しか見えなかったから大丈夫って。(どんな会話だよ)

おっかさんは、ずっと前から福助との時間は現実感のない時間だって言ってた。しょうがないよ天使だったんだもん。もう返さなきゃね。我が家に来てくれてありがとう。
福助、我が家で幸せだったかい?

(※福助、生前最後の写真は家族写真となりました。おっかさんが「みんなで一緒に写真撮ろう」って言ったから。14時12分撮影。さみしがらないように一緒に焼いた)
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21日、木曜日。荼毘。
お蕎麦を食べて待った。おっかさんが、側にいたおばあちゃんと話してた。結構いろいろと。90歳で『おいしいものつい食べちゃうんだけど、制限されてるからちょっとだけ不満だ』って。
去り際、同行していたお孫さんに「カバンちゃんと持った?100万円入っているんだからね」って。おもしろいなぁと思って、ボクが「置いて行っていいですよ」って言うと、90歳とは思えない素早さと力強さで腰のあたりをぴしゃりとやられた。お孫さんがあんぐりと口を開けてたとおっかさんが言ってた。
で、おばあちゃん「そんなにお金欲しいの?」と聞くから、「いやそんなには」って答えたら、『お金はあったほうがいいでしょ?ちゃんと稼いでね』って。
そして、『また会いましょ』って言って帰って行った。

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他愛のない会話だったのだけれど、福助のお骨を抱えて帰宅する時におっかさんが「あっ、福ちゃんのメッセージだ」って。9歳でお空に帰ろうとしていた福助が、空に舞い上がる途中で90歳のおばあちゃんの口を借りて伝えてきた。
『おいしいもの制限されてるからちょっとだけ不満』それ以外の不満はなかったんだね。『ボケる前にあの世に行きたい』とも言ってた。これ以上、薬を盛られてワケがわからなくなるのが嫌だったんだ。だから最後の点滴も気を失って拒絶した。
間違いない。だって、普通『また会いましょ』って言わないよね? 『(僕はお金がかかるから)ちゃんと稼いでね』って……。また我が家に来る気だよ。ボクは最後に福助から喝を入れられたみたいだ。ペットロスになんてなってられないね。

ただ、『また会いましょ』の後に、ちょろちょろっと何か言ってたんだけれど思い出せない。おっかさんも覚えていないって。なにしろ、その時は福助のメッセージだなんて思っていなかったから。でも、『会えるかどうかわからないけどね……』みたいなニュアンスだった気がする……。

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みなさん、今までたくさん元気をいただきました。ありがとうございました。『福助倶楽部』これで解散です。また、運命の出会いがあればブログ始めるかもしれません。その時は見つけてください。『会えるかどうかわからないけどね……』




by fu_ku_su_ke | 2016-04-23 11:47